オービックビジネスコンサルタントの和田成史社長は、「この一年、V字回復に近い形で対処することができた。企業のIT投資の戻りが早かった」と2009年を振り返る。企業は、ITを活用した経営のイノベーションの必要性を感じ、IT投資に積極的になり始めているという。
ウェブサイト「奉行クリック」を通したマーケティングの強化や、「選択と集中」によるパートナーの再編、販売戦略の見直しに取り組んできた。そのほか製品機能の充実により、「最強のバージョンアップですべてを満たしてきた」と胸を張る。
これからの重点施策の一つがクラウド・コンピューティングへの対応。和田社長は、クラウド戦略について慎重に言葉を選んで話す。「安心して使えることをユーザーは求めている。クラウドに向けては、徐々に環境を整えていき、じっくりと対応していく」。競合他社の急ピッチな動きを意識してか、こうも続ける。「当社は先頭を走ることはしないかもしれない。長期的な視点で考えている」。(信澤健太)