立ち話

夢を共有してくれない

2010/07/22 19:47

週刊BCN 2010年07月19日vol.1342掲載

 なかなか実用化に結びつかず、いまだに課題が残る音声認識技術。帝人グループのシステムインテグレータ(SIer)であるインフォコムの吉野隆社長は、「今後10年間で、一番大きな革命が起きるのは音声認識技術だと思っている。すべてのデバイスに革新をもたらす可能性がある」と予想する。

 吉野社長が描く将来図の一端はこうだ。「携帯端末の音声認識によってERP(統合基幹業務システム)を利用する時代がくるかもしれない」。同社が注力分野に挙げているヘルスケア事業などでもニーズが見込める。

 同社は一時期、音声認識に関する基礎研究をしていたことがあった。声帯手術を受けた人の声を認識し、テキスト化する研究だったが、これは頓挫した。 「個人的にはこの技術にものすごく興味がある」とあきらめきれない様子。音声認識の研究はやりたいが、「事業部は夢を共有してくれない」と冗談交じりに話していた。(信澤健太)
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