「ドッグ・イヤー」と呼ばれるほど、ITは加速度的に変化しています。激動するIT業界のなかで、どこへ歩を進め、競争力を保つのか、ITベンダーの経営者は誰もが思い悩んでいることでしょう。いまは「サービスを売る時代」といわれます。しかし、「モノ売り」で稼いでいるITベンダーにとっては、そんなのピンときませんよね。
“バリバリのOA機器屋”だった日本事務器がサービス志向に舵を切る決断をしたのは、競合他社に比べ早かった印象があります。それだけに、田中啓一社長に対しては「どこで稼ぐの?」という疑問が社内外から浴びせられたことでしょう。しかし、「クラウドコンピューティング」の時代は予想以上のスピードで訪れ、田中社長の“決断”は、いまのところ、先見の明があったといえそうです。
「サービスを売る」というビジネスモデルを真に確立したITベンダーはいませんし、どこも暗中模索。しかし、いま矛先を変えなければ、「モノ売り」ベンダーは確実に衰退していきます。(谷畑良胤)
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<日本事務器特集>2010年の事業テーマは「サービス化」メールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.9.6」より