年頭所感

【2010年 年頭所感】 日本事務器

2010/01/14 20:37

週刊BCN 2010年01月11日vol.1316掲載

付加価値のシフト

日本事務器 田中啓一 社長
 キーワードとして、2009年は「サービス」を挙げた。クラウドやSaaSに代表されるように、アプリケーションや情報システムをサービスとして提供する形が本格的に浸透しだした。そのような流れに乗らなければ、SIerとして生き残っていけないという危機感があるためで、サービス事業の基盤をつくってきた。

 オンラインアプリケーションサービス「Google Apps」を自社導入して有効な利用方法を検証し、付加価値を探る取り組みを進めてきたほか、グーグルのパートナーとして営業活動も開始した。サービス事業の礎を築くという意味で、09年は大きな一歩を踏み出したと思っている。

 2010年は、サービスビジネスをより強化する。「Google Apps」を中心に、クラウド型の情報系サービスを専門的に手がける部署を10年度(11年3月期)の期首に立ち上げる計画だ。そこでは、クラウド時代、サービスが主流になった時の付加価値は何かということについても検討していく。SIerに求められる付加価値は、サービス全盛の時代に入れば、現在とは確実に異なるだろう。その時に備えて付加価値のシフトを進める。

 10年度からスタートする3か年の中期計画でもサービスビジネスの強化を重点ポイントに置いている。保守や運用サービスも含めて、12年度には全売上高に占めるサービスビジネスの比率を、現状の30%から50%までに引き上げるつもりだ。サービスに強いSIerとしての地位を確立したい。
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