世界を席巻した「デルモデル」。デルは、間接販売が主流の時代に直販・受注生産方式を貫き、サプライチェーンの無駄を極限までそぎ落としたデルモデルは、「究極の製造業モデル」としてもてはやされていました。数年前までは、日本でもこの信念を貫いていましたが、最近は家電量販店でもデルのパソコンを見かけます。
『週刊BCN』は、ITの商流に焦点を当てた媒体です。これまで、デルの直販モデルを紹介するのは、正直いって抵抗がありました。「直販モデルが主流になれば、ITの流通が崩壊する」。日本には多くのディーラー・リセラーが存在し、この「川中」のプレイヤーを無視して、製品が売れるはずがないと考えていたからです。
時代は流れ、デルの日本法人は、機器を売るだけの会社からソリューションを売る会社へと、大きく変貌しました。デルから「流通」という言葉が出るようになったのも最近です。今般、ジム・メリット社長が退任し、新社長としてコンサルティング会社などで経験を積んだ郡信一郎氏が着任します。日本の文化に合ったどんな展開をしてくるか、楽しみです。(谷畑良胤)
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デル、7月1日付け就任の新社長、郡信一郎氏が記者会見、注力する3事業を強調メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.6.27」より