▼あの日、ドイツで思いっきりビールを飲んだ。悔しかった。目の前のピッチで日本選手が棒立ちになった。中田英寿選手が芝に寝転んで大の字になった。FIFAワールドカップの、カイザースラウテルンで戦った日本がオーストラリアチームに負けた瞬間の光景だ。周囲のオーストラリア人が歓声を上げて喜びを爆発させた。

▼少し経って、オーストラリアの人が、「日本選手はよく戦った。オーストラリアの選手は暑さに強かっただけさ」と声をかけた。悔しさがさらに増した。ピッチから7列目で見た光景は生々しかっただけに、勝ちたい、という気分が心に残った。

▼かつて日本代表を率いた岡田武史氏が昨年末に、中国の杭州緑城足球倶楽部の監督に就任した。報道によると「アジアにおけるサッカーの実力を伸ばすことが、日本のサッカーを強くすることつながる」とコメントしている。日本のために、中国のサッカー技術を伸ばすというわけだ。そして、自らが踏み込んだ。SIerの世界でも、岡田監督と同じ志をもつ人たちがすでに中国のあちこちで活躍している。今年もそんな人たちにスポットライトを当てたい。うまいビールを飲もう。（直）