IT業界では毎日のように新語が生まれる――二日前にそう書きました。確かにその通りなのですが、一方で、定着せずに消えていった「バズワード」が多く存在するのもまた事実です。
昨年から注目されている新語で、バズワードになる可能性があるのでは、と危惧しているのが「ビッグデータ」です。
すでに多くのIT企業が使っている「ビッグデータ」という言葉は、抽象的で中味が見えにくく、また、大量のデータをもつユーザー企業・団体はまだ限られているという実態があるからです。
「使っていないビッグデータ――操作履歴情報を有効活用しましょう」「スマートシティにはビッグデータソリューションが欠かせません」あの手この手のPR合戦が行われていますが、どうもまだピンときません。ビッグデータに結びつくIT製品・サービスとは何なのか。今はまだ、それを理解して、ユーザー企業に伝える段階かと思います。
これから先、データの量が爆発的に増えていくのは間違いがないことで、それらを安価で効率的に処理するソリューションが求められることも、疑いの余地はありません。
「商売のためにIT業界がまたバズワードを生み出した」と、ユーザーに思われないために、大切に育てていきたい言葉です。われわれなりに考えた「ビッグデータ」市場を知る基本的な4要素を紹介します。(木村剛士)
【記事はこちら】
<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>ビッグデータの関連市場編メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.3.30」より