先日、ある大手の外資系ITベンダーを取材したとき、その洗練されたオフィス環境にびっくりしました。社員同士が自由にコミュニケーションができるコーナーや、静かで適切な室温に保たれた仕事に集中できるスペース。プログラマーをはじめとする社員が、能力をフルに発揮できる環境を目指して設計したそうです。
まもなく2年目の「節電の夏」が始まります。今年も社内の冷房温度を28°Cに設定し、実際の室温は30°Cを超えてしまう企業は少なくないでしょう。社内が暑く、社員が仕事に集中できなくなると、業務効率は下がります。節電は大切ですが、クーラーの温度を高めに設定するといった単純な節電対策は、企業の業績に何らかの影響を与える恐れがあります。
震災直後の昨夏、日本の企業は急いで節電に取り組みました。ITを活用した節電ソリューションなどを導入する余裕はなかったというのが実際のところだったと思います。しかし、経営改善の観点からも、今年こそインテリジェントな節電の実現が望まれます。
ITベンダーは、節電対策を中心とするBCP(事業継続計画)を“単品”で売るのではなく、「BCP」と「業務の改善」を結びつけて、新しいかたちの提案を行っています。節電で仕事の効率を犠牲にするより、これをきっかけに、業務の改善を目指したITの活用に取り組みましょう――。ITベンダーはここを新たな商機と捉えて、ユーザー企業に「節電×効率化」のシーンを訴求しています。(ゼンフ ミシャ)
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NECネッツエスアイ BCPの提案を改善 業務効率化の一環として訴求メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.5.16」より