家電量販業界で、市場環境の変化を受けた再編が進行しています。この5月、業界5位のビックカメラが7位のコジマの買収を発表。両社はリソースを統合し、2015年度に1兆円の連結売上高を目標に掲げています。ビックカメラは、コジマの買収によって販売のスケールを拡大し、メーカーとの価格交渉で優位に立つことを一つの狙いにしています。量販店同士の価格競争が激しさを増している状況にあって、利益率を高めることで、安定した経営を目指す動きです。
そして7月13日、業界1位のヤマダ電機が、売上高2600億円で8位のベスト電器の買収を明らかにしました。ヤマダ電機の山田昇会長兼CEOは、ベスト電器の独自サービスや人材を活用して業績を伸ばすことを買収の目的として語りました。これによって、現状のままであればヤマダ電機の連結売上高は2兆円以上のレベルに達し、業界トップの地位は不動のものになります。
群雄割拠から寡占へ――。今後もスケールメリットを追求する合従連衡は続き、家電量販店の勢力図はさらに変化していくでしょう。(ゼンフ ミシャ)
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ヤマダ電機、ベスト電器を買収、「お互いのメリットになる提携」と山田昇会長メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.7.18」より