野村総合研究所(NRI)が関西地区に第3世代データセンター(DC)の建設を検討しています。この背景には、事業継続管理(BPC)や災害復旧(DR)需要の高まりがあり、NRIには、省エネ型の最新設備を投入することで「競争力を高める」(NRIの室井雅博専務)ことを狙います。
NTTデータの山田英司副社長も「BCPとDRのニーズは高い」として、大都市圏で依然として不安定な電力供給事情や、地震などの災害に備えて、IT投資の拡大が見込まれる、と話しています。
とりわけ電力事情の悪化や東京電力の料金値上げは、エネルギー効率が高いDC活用を喚起する可能性があり、NRIのDC増設への動きは、こうした市場動向を見定めてのことのようです。
NRIは、今年11月に都内で最新鋭の第3世代DCが竣工する予定で、この完成を待たずに、早くも次の関西地区でのDC建設の検討を始めるというのですから、よほど強い手応えを感じているのかも知れません。
誤解を恐れずにいえば、DCは冷蔵庫やクーラーといっしょで、新しければ新しいほど省エネ効果が高い設備です。最新の省エネ技術を用いることができるからなのですが、それだけに、今後も主要SIerやITベンダーによる高効率DCへの投資競争はこれからも続くものと思われます。(安藤章司)
【NRIによる関西新DC検討の記事はこちら】
野村総合研究所(NRI)、関西地区に最新鋭DCの建設を検討メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.8.2」より