北斗七星

北斗七星 2013年1月14日付 vol.1464

2013/01/17 15:38

週刊BCN 2013年01月14日vol.1464掲載

▼「推理小説」というのは、江戸川乱歩らが広義のミステリー叢書を監修する際に命名したというのが定説だ。推理小説の誕生は、警察制度が確立された歴史と符合する。警察が犯罪者を捕らえる裏側で、社会の暗部をえぐり出し、法をすり抜けようとする犯人を追い詰めるという設定の小説が多くのファンをつかんだ。

▼最近の推理小説といえば、警察組織の闇を暴いたり、警察の推理に挑戦する内容のものが増えている。昨年末、推理小説ばりの事件があった。遠隔操作で殺人予告の書き込みをした犯人と思われる人物が、「新しいゲームのご案内です」と、ウイルスを仕込む手口を書いたUSBを東京・埼玉・山梨の境界にある雲取山の山頂(標高2017m)に埋めた。これを警察が捜索したのだ。

▼今回の事件は、かつて遠隔操作で犯人に仕立てられ、逮捕までされた人たちにとってみれば心中穏やかでないだろう。トレンドマイクロによれば、真犯人は相当の技術をマスターした“腕の立つ”人物らしい。たとえUSBを回収して手法を解明したとしても、裏をかいて次の犯罪を実行するに違いない。ここは、別の重大な事件を起こす前にすべてを解決し、警察が勝利することに期待する。(吾)
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