Book.jpg  デジタル全盛の時代にあって、「アナログコミュニケーション経営」とタイトルづけした本に興味を覚えて手に取った。

 日本人は団体戦に強いという定評がある。団体戦に強いということは、組織のなかでのコミュニケーションが濃密ということだ。だが、著者(経営コンサルタント)は、企業の社員が世代を重ねるにつれて、それが薄まってきているとみる。弱まった力を取り戻すためのキーワードとして、「インパクト・メソッド」という言葉が本書にたびたび登場する。職場チームの活性化と生産性向上を目指して、個人戦になりがちな仕事を見直し、チームワークにすぐれた「知的団体戦」ができる組織をつくるためのスキルだという。そして、アナログコミュニケーションとは、正しい仕事の進め方と正しいマネジメントの基盤となるコミュニケーションスタイルを指すというのだ。

 デジタルコミュニケーションの代表はメールだが、「顔を合わせて話せば三〇分もかからない内容が、メールのやりとりでは何往復にもなる。(中略)しかも、誤解が生じやすい」というネックがある。インパクト・メソッドでは、マネジャーとメンバーが額を寄せ合って仕事の計画を練っていく。そのときに使うのは模造紙と付箋である。これらの使い方は本書を読んでいただくとして、要するに、フェイス・トゥ・フェイスでお互いの体温が感じられるコミュケーションがチームワークを醸成するというわけである。(仁多)


『アナログコミュニケーション経営』
倉益幸弘 著
実業之日本社 刊(1200円+税)