大手SIerが、相次いでソフト開発やテスト工程の自動化に力を入れています。プログラムの自動生成など、自動化の試みはここ30年ほど議論されてきましたが、残念ながら鳴かず飛ばずの状態が続いてきました。
自動化に率先して取り組むNTTデータの岩本敏男社長は「自動化はコンピューティングリソースがどれだけ安く、大量に確保できるかで状況は大きく変わってくる」と話しています。つまり、労働集約型の人件費と、自動化に欠かせないパワフルなコンピューティングリソースのコスト見合いで、人件費に勝れば普及が進むというわけです。
確かに、これまでは中国をはじめとする海外オフショアソフト開発でコストを抑えられた経緯がありましたが、これらは円安と中国の人件費高によって過去のものになりつつあります。また、アジャイル開発や反復型開発など、従来のウォーターフォール型の開発とは異なる手法の普及も、これまでの仕様書にもとづく単純な受託開発を過去のものにする可能性があります。
最新の自動車工場のように、ソフトウェアの生産現場もFA(ファクトリーオートメーション)化が進行。人間は、製造やテストを行うロボットを監督するだけという世界が、とかく労働集約的だと揶揄されてきた情報サービス業界でも現実味を帯びはじめています。(安藤章司)
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<トップインタビュー>NTTデータ 社長 岩本敏男 グローバルビジネスをさらに伸ばすメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.5.16」より