FacebookやLINEを例に挙げるまでもなく、スマートフォンにはすばらしいアプリがたくさんあります。しかもその多くが無料で、有料だとしてもせいぜい数百円。過去のパソコン向け、ゲーム専用機向けのソフトが数千円もしたことを考えると、破格の値段です。
個人の行動をビッグデータなどに活用したり、ゲームなどで追加で課金されたりと、収益モデルが多様化しているからこそなせる技なのでしょうけれど、それでも高度なアプリがタダ同然で使えるというのは、隔世の感があります。
しかし、よく考えてみると、ITコンシューマライゼーションの潮流のなかで、こうした価格破壊が企業で使うスマートデバイス向けアプリの価格に影響しないわけがありません。
実際、SIerやソフト開発ベンダー(ISV)を取材すると、「業務用のスマートデバイス向けアプリをパソコン用ソフトと同じ価格帯で提案したら、ケタを二つ減らされた」という逸話が漏れ伝わってきました。
パソコン用ソフトは、かつてのメインフレームやオフコンのソフトに比べ、桁違いに安くつくることができたことから爆発的に普及しました。これと同じことが、企業で使うスマートデバイス用アプリでも繰り返されるとするなら、SIerやISVはソフト開発のコスト構造や収益モデルを抜本的に見直す必要に迫られそうです。(安藤章司)
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<Favorite Appli>北京空気汚染指数――北京コア 総経理助理 吉田茂之 氏のオススメアプリメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.8.1」より