▼2020年のオリンピック開催地が東京に決定。週末の日本は、このニュース一色に染まった。今年から2020年までの経済波及効果を、東京都は2兆9600億円と試算。民間のシンクタンクはそれ以上のインパクトがあるとみている。いずれにしても、日本企業のビジネスに好影響を与えることは間違いない。もしかしたら、これが最大のアベノミクス効果になるのかもしれない。

▼ライバルの2都市を押さえて、東京が勝利をもぎとった理由として、安定した政治、安全な街、成熟した社会インフラなどが挙げられている。とくに、強固な社会基盤は高い評価を得たという。

▼今、日本は発展途上国に対してITインフラの輸出を政府主導で進めている。社会基盤を構築するためのITシステムや運用ノウハウを一括で提供する仕組みをつくって、国内ITベンダーのグローバルビジネスを支援しようとしている。

▼世界最大のスポーツイベントは、国の文化、技術を世界に披露する絶好の機会でもある。世界に認められた社会インフラを支えるITをアピールするチャンスの到来だ。招致委員会のプレゼンターたちが、身振り手振りを交えて表情豊かに日本をアピールしたように、日本のIT業界も引っ込み思案にならず、世界にアピールしたい。（鈎）