北斗七星

北斗七星 2013年11月11日付 vol.1505

2013/11/14 15:38

週刊BCN 2013年11月11日vol.1505掲載

▼都内の一等地、山手線沿線にあった豆腐屋が閉店した。昔は居酒屋が軒を並べていて若者が寄りつきにくい街だったが、ここ20年で景色は一変し、お洒落な佇まいに。この豆腐屋は、街の変化に合わせて煮込み豆腐弁当などを出して、OLたちの人気を集めていた。

▼恐らく数年前まで行列店だったに違いない。この店の絹ごし豆腐や厚揚げは絶品だった。トレンドに乗って繁盛していた店が潰れるとは思いもしなかった。調べてみると、豆腐屋の倒産や廃業が増加中らしい。輸入大豆の価格が高騰し、元が取れないからだ。

▼大豆の自給率は20%程度。輸入に頼らざるを得ない。豆腐という食文化がなくなることはないだろう。だが、ここ10年で豆腐屋は半減。大量に原材料を安く仕入れられる大手に収斂されるのは明らかだ。

▼国内のシステムインテグレーション産業も似た傾向にある。「JISA(情報サービス産業協会)-DI」値によれば、受託ソフト開発の増加がけん引し、今年7~9月は20ポイント以上拡大した。だが、長い目でみれば減少傾向は否めない。豆腐屋のように味(技術)勝負だけの会社は、淘汰の道を歩む。(吾)
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