先日、電車で京王グループの募集広告を見て、ふと思いました。言葉は誰のものなのか――。広告には、京王線で働く三世代の男性が写っていて、慶應義塾大学の学生を指す「慶應ボーイ」ならぬ「京王ボーイ」というキャッチフレーズが踊っていました。これでクレームが来なければいいのだが……と思いつつ、記者として、日常的に言葉を操る際に、さまざまな縛りがあることをあらためて実感しました。
「マイナンバー」は民主党時代の用語だから、使っちゃだめ。「東京オリンピック」の「オリンピック」は商標の保護対象なので、「東京五輪」にしたほうが無難?――。人と人とのコミュニケーションツールである言葉は、自由に使うことができると思われがちですが、少なくとも新聞や広告媒体で使用する際は、多くの制限があるのが事実です。
一方、新聞には言葉を創出するという特権があります。まだ世の中に存在しない用語をつくり出し、普及させることが新聞の一つの役割だと思います。『週刊BCN』は、2013年、クラウド構築ビジネスの活性化を受けて、「クラウドインテグレータ」、略して「CIer」という新しい言葉をつくりました。読者の皆さまは、今後CIerという言葉を、SIerやNIerと同じ感覚でどうぞご自由にお使いください。(ゼンフ ミシャ)
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C(loud)Ierを目指せ クラウド時代が求めるインテグレータメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.12.25」より