「鉄は国家なり」という言葉があります。鉄血宰相として知られるプロイセン王国・ドイツ帝国の首相、ビスマルクの演説に由来するこの言葉、鉄鋼生産量は現在でも国力を表す重要な指標です。

 製鉄業は、日本のものづくりを象徴する産業です。その意味で、日本の鉄鋼メーカーは戦後日本の成長を支え、国際社会での存在感の高揚に大きく貢献したといえるでしょう。ただし、近年は中国や韓国など、新興国のメーカーが台頭し、日本勢はやや押され気味です。

 それでも世界規模の存在感を相変わらず放っている企業の一つが、2003年に日本鋼管と川崎製鉄が統合して誕生したJFEスチールです。国内の製鉄所・製造拠点から高品質の製品を世界に提供するグローバル企業の自社技術に対するプライドは非常に高く、生産管理などの基幹システムは、基本的にフルスクラッチでつくり込んで、独自のノウハウを蓄積しています。

 しかし、事業環境が変わり、JFEスチールも一部の製造プロセスを海外に置くことを避けられなくなりました。独自のノウハウが詰まったフルスクラッチシステムを生かすのか、捨てるのか――。パッケージシステムを導入して業務を標準化するのが難しい製造業。最新のITソリューションを使って事業環境の変化に対応しつつ、独自の技術力を発揮するシステムをどのように構築したのでしょうか。(本多和幸)

【記事はこちら】
<THE決断!ユーザーのIT導入プロセスを追う>海外グループ会社で初のERP 固有の製造ノウハウも生かした最適解
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.2.4」より