企業の基幹系システムに、クラウドの波が押し寄せています。昨年、SAPジャパンが日本版の提供を開始したクラウドERP「Business ByDesign」は、なかでもとりわけ大きな注目を浴びる製品です。なぜなら、これまで重厚長大のオンプレミスERPを世界中で売りまくり、基幹系システムの王者として君臨してきたSAPが、クラウドに本格的にシフトする方針を明確に打ち出し、その中核に据えたアプリケーションだからです。

 この「Business ByDesign」のビジネスで、SAPはNECとグローバルで手を結びました。 NECは、日本で最大級のSAPユーザーではありますが、SAPのパートナーとしての実績では、ほかにも有力な国産ベンダーが多数存在するというのが率直な印象。

 それでも、この協業は双方に十分なメリットがありそうです。SAPにとっては、「Business ByDesign」が成功するか否かの重要なファクターになる可能性がありますし、NECにとっては、中期経営計画で重点を置くアジアでのビジネス拡大を促す起爆剤にもなり得ます。

 気になるのは、自社・他社商材を含め、NECは「Business ByDesign」の競合製品を複数ラインアップしていること。記者の取材では、「お客様のニーズに合わせて最適な製品を提供する。既存の製品も売っていく」と、教科書通りの回答をいただきましたが、実際はどうでしょうか。素直に考えれば、「コンペで勝てる商材」をよりたくさん売ることになるわけで、NECと協業関係にある他ベンダーの戦略や、NEC自身のソリューション開発方針にも、大きな影響を及ぼしそうです。(本多和幸)

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NEC Business ByDesignをASEANで独占展開 SAPと協業して独自にローカライズ
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.2.12」より