狭いわが家にとって、場所を取らない電子書籍はまさに救世主なのですが、ただ一つの心配事は、「買った本をこれから先もずっと読めるかどうか」。多くの電子書籍サービスが取りやめになり、そのたびに放り出されて右往左往するユーザーたちの姿を目のあたりにすると、なおさらです。
私はニコニコ動画を運営しているドワンゴの電子書籍サービスを利用しています。さらに、これが比較的マイナーだったために、AmazonのKindleに乗り換えようかと真剣に考えはじめた矢先に、KADOKAWAとの経営統合が発表されました。ドワンゴの電子書籍サービスのユーザーとしてまず頭に浮かんだのは、「よし! これで買った本が読めなくなることはない」でした。
大手出版社を巡る大型再編は、近年あまりなかっただけに驚きですが、日本のサブカルチャーを代表するコンテンツホルダー同士が経営統合するわけですから、少なくとも漫画やライトノベルに関しては、Kindleに乗り換える必要はなさそうです。
企業やサービスが生き残るには、適切なタイミングで業界を再編していく先見の明と英断が求められます。これは、私たち情報サービス業にもあてはまるのではないでしょうか。(安藤章司)
【「KADOKAWAとドワンゴが経営統合」の記事はこちら】
KADOKAWAとドワンゴが経営統合、持ち株会社「KADOKAWA・DWANGO」設立へメールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.6.5」より