▼「雪形」と聞いて、即座に山の名が浮かぶ人は、相当な山好き。白馬岳、常念岳、爺ヶ岳、蝶ヶ岳、駒ヶ岳、農鳥岳……。雪形は、山の岩肌と雪がつくりだす模様。雪解けがようやく始まり、やっと訪れた春の山肌に浮かび上がる。山により、雪形は人であったり動物であったり鳥であったりする。それが山名の由来となった山も数多い。

▼富山県と長野県にまたがる爺ヶ岳(2670m)は、雪解けが本格化する5月の山肌に、種を蒔くお爺さんの姿が現れる。この雪形をみて、山のふもとの農家では、農作業の適期を読みとっていたという。年々歳々の自然の営みは、人々の生活の折々の標(しるべ)となっていた。

▼ITで農業を支援する動きがある。クラウドやモバイル、センサなどの最新技術を活用して農産物の安定生産を実現するソリューションが、続々と誕生している。富士通、NEC、日立製作所など、大手ITベンダーが農業ITビジネスを着々と拡大しているのだ。

▼食糧自給率40%は素人目にも不安。ITと農業のプロの連携で、日本の農業を本格的に支援してほしいものだ。山を見上げて、雪形を眺める人が少なくなって久しい。(蓼)