▼「議論が尽くされていない」。新国立競技場の建設で総理大臣の白紙見直し発言にまで及んだ問題で、多くの知識人やジャーナリスト、メディアが決定までの不透明さを指摘している。議論の場に、その人たちを呼んでいないのだから、どう思われても仕方がない。直近5回の五輪では、メイン会場の建設費はどこも500億円程度だという。新しい国立競技場の建設費も500億円程度であれば、大騒ぎにはならなかっただろうに。

▼デザインを決めて、設計図を固めて、開発を大手ゼネコンが仕切る。建設業界も大型案件は、ウォーターフォール型なのだと改めて認識させられる。今回の件は、歴史のある建設業界ですら、デザインだけで議論を尽くすのは簡単ではないことを示した。当初は1300億円の予定だった建設費が、どんどん膨らんでいく状況に、他人事ではないと感じたIT関係者もいるのではなかろうか。

▼マイナンバー関連には新国立競技場で予定される建設費よりも多くの税金が投入されている。知識人やジャーナリスト、メディアから目立った指摘がないのは、議論が尽くされたからか。後は、無事のスタートを祈るのみ。(風)