▼電力の小売り自由化から5か月が経ち、筆者の周囲にも、新電力ユーザーがちらほらみられる。手元のスマートフォンで消費電力をチェックし、先週比で「増えた、減った」と一喜一憂している姿をみると微笑ましい。ただ、こうしたユーザーは全世帯の2%にとどまっており、自由競争のメリットが伝わっているのはごく少数に過ぎないとのこと。

▼来年4月には、都市ガスの小売りも自由化されるが、実は送電網やガス管は、既存電力/ガス会社と共有している。インフラからつくり直していては、自由化で価格が下がるどころか、上がってしまうからだ。既存会社と新会社が協業すべきところは協業し、サービスや価格などで競争する「協業と競争」のハイブリッドモデルといえる。

▼ITの世界でも同じで、商材開発で「協業できるところは協業する」のが、異業種や同業者によるオープンイノベーションの手法である。ユーザーは、「電気」を安く買いたいわけなので、「電柱」の部分は協業できるというわけだ。新しいサービスやメリットを求めるユーザーが納得する協業/競争のバランスこそが市場を創り出すカギとなる。(寶)