BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『ゼロから作る Deep Learning』

2016/12/21 15:27

週刊BCN 2016年12月12日vol.1657掲載

Pythonを学びながらAIを理解

 人工知能(AI)をアプリケーションに取り込む事例が増えてきた。一部の先進企業が取り組んでいるというイメージだったが、小規模な企業でもAIを活用し始めている。AIは、ずいぶんと身近になった。仕組みさえわかれば、もしかしたら、自分でもAIを駆使できるようになるのではないか。そんな思いを抱いている人は多いに違いない。

 AIの仕組みを理解するには、システムをゼロからつくってみるに限る。そこで、本書である。ディープラーニングのシステムを実装する方法について、ゼロから紹介している。

 扱うプログラミング言語は、オープンソースの「Python(パイソン)」。コンパイル不要で、英文のような文法でプログラムを書くことができるため、人気が高い。その活用範囲は広く、ヒト型ロボット「Pepper」のプログラミング言語にも採用されている。

 本書では、Pythonの未経験者でもディープラーニングを学べるようにするため、第1章を「Python入門」として、インストール方法からプログラミング方法まで詳しく紹介している。ディープラーニングについても、ベースとなっている理論から紹介しており、AIをまったく知らなくても、理解を深めることができる。

 Pythonは、その扱いやすさからプログラミング初心者の教育で採用されることも多い。これからプログラミングを始めようと考えているなら、Pythonを習得しながら、最先端トレンドのディープラーニングも学べてしまう本書がお得である。(亭)

『ゼロから作る Deep Learning』
斎藤康毅 著
オライリー・ジャパン 刊(3400円+税)
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