インターネット級の革新的技術と評されることも多いブロックチェーンですが、近年、既存のITベンダーやユーザー企業も巻き込み、エンタープライズIT分野での実用化に向けた実証実験やR&Dへの投資も本格化しています。ブロックチェーンについて議論する際に、より汎用的な技術の名称として、DLT（Distributed Ledger Technology＝分散台帳技術）という言葉を使うケースも増えてきました。実際、邦銀47行が参加する「内外為替一元化コンソーシアム」が新たな決済プラットフォームに活用しようとしている米リップル社の最新技術は、「ブロックチェーンではないDLT」といえる技術です。

　さまざまな技術的広がりをみせるブロックチェーン、DLTが、本当にインターネットと同レベルの革新を社会にもたらすことができるのか。少なくとも、いくつかの芽は育ってきているように思えます。（本多和幸）