越境EC市場が活況を呈しています。調査会社の富士経済では、2019年の中国向け越境EC全体市場(物販)規模を16年の約2倍となる4700億元と予測。このうち日本からの越境ECは1270億元で、全体の27%を占めるとしています。

 これに伴い、最近、中国の消費者開拓を目指す日本企業をターゲットに、越境ECコンサルティングを手がける業者が増えています。とくに中国でビジネス経験をもつ日系企業がこうしたサービスを打ち出すケースは多く、EC事業者に加え、物流や貿易、マーケティングなど、多様な業界から参入。しかし、実際に成功している企業は多くない印象を受けます。

 例えば、あるITベンダーでは、約2年前に越境ECサイトを立ち上げ、中国への商品展開を検討する日本の中小企業に向けたテストマーケティングなどのコンサルティングサービスを開始。しかし、事業は軌道に乗らず、このほど撤退を余儀なくされました。同社の社長は、「ECサイトの構築や、中国のSNSアカウントの運用代理などで実績はあるが、実際にEC上で商品を販売したことがなかったことが敗因」と語りました。つまり、売るためのプラットフォームをつくるノウハウはあっても、売り方がわからなければ、適切なコンサルティングはできないということ。案外、こうした企業は少なくありません。

 中国の越境EC市場が伸びることは確実視され魅力的に思えますが、すでにコンサルティングも強豪ひしめく戦国時代。参入して生き残るには、売る仕組み、売り方に加え、独自の強みが必要なことは言わずもがなです。(上海支局 真鍋武)