▼韓国・平昌で冬季五輪が開幕した。その競技で世界的に圧倒的な強さを誇る選手でも、金メダルを獲得できるとは限らない。4年に1度の巨大イベント。選手たちも特別な価値を感じているからこそ実力を出し切るのが難しい。観戦している側の大多数はエンタテインメントの一コンテンツとして消費するだけだが、人生を賭けた挑戦はやはり胸を打つものがある。

▼一方で、五輪というイベントのあり方について、あらためて考えさせられる大会にもなっている。韓国と北朝鮮、南北統一チームの出場は果たしてポジティブなことといえるのか。なんとも心がささくれ立つ“ほほえみ”がまとわりつく。

▼日本では「下町ボブスレー」騒動も。ヒットしたTBSドラマ「陸王」のようにはいかなかったようだ。町工場連合のプロジェクトはいかにも判官びいきの日本人好みかもしれないが、選手・チームが求めるのは最高のソリをつくってくれるパートナーだろう。そうした観点では信頼関係を構築できなかったという事実を受け止める必要がある。結果を出す。そしてその実績をもとに顧客と信頼関係をつくり上げる。ITの分野にも共通する、ビジネスの鉄則ではないか。（霹）