未来の「移動」を描く不思議な物語

 次世代の「移動」をテーマに、5人の小説家がショートショートを執筆し、デンソーが企画・取材協力した『未来製作所』には、「短くて不思議な物語」が収録されている。

 自動車のあり方が大きく変わろうとしている今、小説家ならではのユニークな視点で、まだ誰も知らない未来を描くことに挑戦している。

 第1話は、「自動運転」をネタに“移動する賃貸ワンルームマンション”がある未来を描いている。

 仮想空間で仕事の大半がこなせてしまう未来では、もはや職場に出向く必要もなくなった。あわや人類総「引きこもり」かと思いきや、快適な部屋そのものが静かに移動して、知らないうちに海や山、街へと、望むところに連れて行ってくれる。

 好きな場所で仕事ができて、余暇も楽しめる。出会いも広がる。引きこもるどころかアクティブに動き回るというオチ。読みやすいショートショート形式で、「移動」の未来へと誘ってくれる。(寶)

『未来製作所』
太田忠司 他著
幻冬舎 刊(1300円+税)