公教育一筋30年の校長が教育改革の主役に

 「教師の固定クラス担任制を止めて、毎週担任を変更することにします」「定期テストを廃止して、成績評価に反映しない、純粋に学んだことの定着力を測るテスト制度に移行します――。これらの取り組みは全て、東京・千代田区立麹町中学校という公立の中学校で行われていることだ。学習の目的を明確化し、前例主義を排した改革を進める中心人物は、工藤勇一校長だ。

 驚くのは、工藤校長が社会人としての30年以上のキャリアを一貫して公教育の世界で重ねてきたことだ。本書では、麹町中の改革の取り組み事例とともに、工藤校長が教育界で注目を集める改革者になるまでのバックグラウンドも解説。また、サイボウズの青野慶久社長との対談も収録している。

 自ら考え行動できる人材を育てるという学校の役割を果たすために何をすべきか。まさに「目的思考」で教育の在り方を変革しようとしている工藤校長の取り組みは、多くのビジネスパーソンにとっても刺激になるのではないか。(霹)
 

『「目的思考」で学びが変わる
千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦』
多田慎介 著
ウェッジ 刊(1500円+税)