北斗七星

北斗七星 2020年2月17日付 vol.1813

2020/02/21 09:00

週刊BCN 2020年02月17日vol.1813掲載



▼イカの漁獲量が近年激減しているという。山形新聞によれば、今シーズンの冷凍スルメイカの水揚げ量が過去最低を大幅に下回る水準になる見込みだ。日本のEEZ内で東アジアを中心とした外国船の違法操業が深刻な影響を及ぼしている。

▼適正なビジネス環境の整備という意味でも重大な課題だが、漁業従事者にできることはあまりない。政府としての取り締まりも基本は警告と放水のみ。北朝鮮の漁船にとっては、水産庁や海上保安庁の警告など何の抑止力にもならないだろう。

▼民間にはできない環境整備というものがある。新型コロナウイルスの感染拡大は収束の気配を見せない。柔軟かつ合理的、時には大胆な判断が求められるハードな課題だが、政府には一刻も早く通常通りに社会活動が営める環境を取り戻す責任がある。

▼イカ漁の問題と違い、民間側に自衛策の選択肢があるのは救いか。各企業が在宅勤務やリモートワークを奨励し、従業員が人混みを回避して業務遂行できるような施策を打ち出す例も増えてきた。働き方改革の側面だけでなく、緊急時の事業継続という観点からもITの社会的役割は拡大している。(霹)
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