零細ソフトハウスのビジネスモデル変革

　勤怠管理や工数管理、経費精算などを開発するチームスピリットの創業者・荻島浩司社長の著書。営業支援のセールスフォース上で稼働するソフトウェアとして、これまで1300社を超えるユーザー企業に納入。累計23万ライセンス余りを販売するヒット商材を生み出した。2018年には株式上場も果たしている。

　このチームスピリット、実は96年の創業から長らく受託ソフト開発を手がける零細ソフトハウスだった。ひょんなことがきっかけでセールスフォース対応のSaaS型アプリを開発することになり、そこからタイトル通りの「サブスクリプションシフト」を実践することになる。

　本書の前半は、IT業界では一般的になりつつあるDX関連の記述で占められるが、後半部分は零細ソフトハウスがサブスクリプションにシフトする際の困難や苦悩といった舞台裏が克明に描かれている。成功を手にした創業者でしか語れない自伝的内容となっている点が興味深い。（寶）
 

『サブスクリプションシフト
～DX時代の最強のビジネス戦略』
荻島浩司　著
翔泳社　刊（1600円＋税）