“営業DX”も待ったなし

 営業のオンライン対応は、新型コロナ禍で多くの企業が共通して経験した企業活動上の大きな課題と言える。「足で稼ぐ」ことや「対面での顧客との濃密なコミュニケーション」を信奉している営業パーソンは今でも少なくないのかもしれないが、それでは立ち行かない場面が否応なしにやってくる。営業活動もマーケティングとよりシームレスにつながり、というよりも半ば一体化して、デジタルテクノロジーのフル活用を前提に基礎的価値観や文化を変えていかなければならないと多くの企業が考え始めたのは間違いない。まさに、営業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の気運も高まっている。

 週刊BCNの読者には改めて説明するまでもなく、セールスフォース・ドットコムは営業やマーケティングを支援するITソリューションのトップベンダーであり、自社商材を使った“営業DX”の実践者でもある。本書では、そのナレッジやノウハウを体系的に整理した。例えば、セールスフォース・ドットコムの成功を支えた営業プロセスモデルとして注目されている「The Model」という概念がある。

 マーケティングから商談、成約後のカスタマーサクセスまで各段階の情報を可視化・数値化し、各部門間が連携。一貫して顧客に対応し、売り上げを拡大させていく考え方だが、これについてもじっくり解説している。「どうせセールスフォース製品を使うように誘導する内容なんだろう」と警戒する読者がいるかもしれないが、そうした要素は極力抑えた印象だ。(霹)
 


『訪問しない時代の営業力強化の教科書 営業×マーケティング統合戦略』
セールスフォース・ドットコム、パーソル総合研究所、渥美英紀 著
翔泳社 刊(1800円+税)