▼東京五輪で福島県を訪れた海外チームに提供された、同県の名産品である桃。選手や関係者から絶賛の声が相次ぎ、原発事故後の風評を払拭する機会となった。報道を見て筆者も桃が食べたくなり、本当は福島を訪れたかったところだが、時節柄他県への移動ははばかられるため、ECサイトで福島産の桃を一箱取り寄せた。大玉・肉厚で果汁が多く美味。12個入りの箱はすぐに空になった。

▼現在多くの桃は、光センサーによる評価を経て出荷されている。果実に光を当て、その透過光を分析することで、糖度や熟度が分かるのだという。指で触れただけでも傷みが早くなるデリケートな桃は、外側から出来を見極めるのが難しいが、光センサーを活用することで一個単位で非破壊での評価が可能になり、品種や等級ごとに品質をより安定させられるようになった。このセンサー技術には30年ほどの実績があるという。

▼プロダクトの品質を評価するのは容易でないことが多いが、定量的に説明できる指標をもつことで、桃は「高くても売れる」高級フルーツの地位を確立した。ある意味で、30年前からデータに基づくビジネスを展開してきたと言えるだろう。(螺)