100年以上の官営サービスの歴史

 日本で電気通信サービスが開始されたのは1869年(明治2年)、横浜燈明台役所と横浜裁判所の間に約770メートルのケーブルが張られたのが最初だという。電話の発明前のことで、最初に利用できたのは電信(電報)だった。その後電話が導入され、通信事業は工部省、逓信省、電気通信省と、いずれも官営サービスとして引き継がれていった。

 戦後、復興期を迎え通信需要は拡大した。これに対応するため、電気通信省が行っていた事業を引き継ぐ公共企業体として、今から70年前の1952年に電電公社が設立された。電話網を整備するとともに国産の交換機を開発し、交換手を介さない「自動化」を推進。62年には今も“黒電話”として知られる「600形自動式卓上電話機」を世に出した。

 85年、さらなる成長が期待される通信産業を自由化するため、電電公社のサービスは新たに発足する日本電信電話(NTT)に継承され、官営事業としての歴史に幕を下ろした。その後、NTTの事業はNTTデータ、NTTドコモ、NTT東西、NTTコミュニケーションズなどに分割され現在に至るが、昨年以降グループ再編の動きが活発化している。過去にはお役所体質と批判されることもあった同社グループが、グローバル企業に脱皮できるかが注目されている。(螺)
 


由来
1952年8月1日、NTTの前身である日本電信電話公社(電電公社)が設立された。郵政省の外郭団体である特殊法人で、戦後設置された「電気通信省」の業務を引き継いだ。