SNSで音楽セッションを楽しむ

　コロナ禍で外出が制限されたとき、趣味でつながったSNSのおかげで孤独な思いをしなくても済んだ人は少なくないだろう。音楽もそのうちの一つ。池部楽器店が音楽家に協力を呼びかけた「カナデルチカラプロジェクト」は、音楽を奏でることで自宅で楽しく過ごせることを示した。「カナデルチカラの日」は、音楽で人々の心の健康を守りたいとの願いが込められている。

　SNSの普及によって、離れていても合奏できるようになり、例えばドラムが先にリズムを刻んで、そのあとベース、ギター、ボーカルの音を上に重ね合わせることで、簡単にセッション動画を作成して楽しめる。もちろん1人で演奏したり、歌ったりして、視聴者やフォロワーに「いいね」や感想を書き込んでもらうのも楽しいが、みんなでの演奏は1人では体験できない一体感が味わえる。

　とはいえ、今のネット環境ではどうしても遅延が発生するためリアルタイムでの合奏は難しい。将来はNTTの「IOWN」のような超低遅延のネットワークが普及し、遠く離れていてもセッションが楽しめるようになれば、自宅での音楽の楽しみ方がより一層広がることが期待できる。
（寶）
 

由来
日本記念日協会によれば、コロナ禍の期間中、音楽の力で少しでも前向きに過ごせるよう池部楽器店（東京）が立ち上げた「カナデルチカラプロジェクト」に由来。日付は同店の創業記念日から。