▼今の自宅に転居してそろそろ1年になるが、前の住人に宛てられたと思われるダイレクトメール（DM）が届くことがたまにある。届いたDMを見ると、前の住人の家族構成や趣味がうっすらとわかるのが、面白くもあり薄気味悪くもある。

▼金銭の受け取りや請求に関する書類が正しく転送されず別人のところに届いたら、トラブルにつながることも考えられる。住所の変更や消滅は慎重に手続きする必要がある。これはネット上でも同じだ。9月下旬、NTTドコモが約2年前に終了したサービス「ドコモ口座」のドメイン名がオークションに出品されていることがわかり問題となった。報道によると、厚生労働省の新型コロナ情報サイトのドメイン名も同様に落札可能な状態にあったという。

▼短期間のキャンペーンなどでも独自のドメイン名でサイトを開設するケースは多いが、一度取得したドメイン名は、利用の見込みがなくても半永久的に保有し続けない限り、第三者に悪用される可能性がつきまとう。特に歴史や知名度のある企業や組織ほど、自らのアドレスはサイバー空間の”一等”を示すシンボルであることを自覚すべきだろう。（螺）