今日は何の日

<今日は何の日>1月15日『ウィキペディアの日』

2024/01/15 09:00

週刊BCN 2024年01月15日vol.1998掲載

知の底なし沼におぼれる

 筆者の時間を奪う最強の敵は、間違いなくウィキペディアである。最初は目的があってWebサイトを訪れていたはずが、気がつけば関連項目の底なし沼に沈められてしまう。

 例えば、光コンピューティングについて調べていたのに、「ノイマン型アーキテクチャー」の定義が気になりはじめ、そこから数学者フォン・ノイマンの生涯にリンクし、彼をモデルにしたスタンリー・キューブリックの映画『博士の異常な愛情』の項目へ。そしてキューブリックと言えば『2001年宇宙の旅』。生成AI関連のコラムを書くために、この作品はもう一度見直しておいたほうがいいな……などと考えながらページをめくっているうちに、途方もない時間が奪われていく。記事数は24年1月時点で約140万本。1人の人間にとっては無限と言える量である。

 ウィキペディア上に蓄積された情報に、正確性の保証はない。ただ、これはウィキペディアに限ったことではないのかもしれない。現在社会的に“正しい”とされている知識も、多くの人の目に触れ検証されるプロセスの中で確立したものだ。ウィキペディアの集合知は、情報を「適切に疑う」ことの必要性を世に訴えている。(螺)
 


由来
2001年1月15日にオンライン百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」のWebサイトが公開されたことから。ポータルサイトを運営する米Bomis(ボミス)のプロジェクトとして始まり、03年に非営利の財団へ継承されている。
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