今日は何の日

<今日は何の日>1月28日(1886年)「八木秀次博士の誕生日」

2025/01/27 09:00

週刊BCN 2025年01月27日vol.2045掲載

日本人が発明した高性能アンテナ

 テレビ受信用のアンテナは、魚の骨のようなかたちをしている。その先には放送波を発射するテレビ塔があるはずだ。アンテナは金属の棒でつくられているが、長さは目的の電波の波長によって決まる。波長に応じたメインのアンテナの前後に、少し長い「反射器」と、少し短い「導波器」を並べてやると、導波器の方向に対する送受信性能がアップする。遠くで発射された弱い電波をキャッチする能力が上がり、それ以外の方向から飛んでくるノイズを抑える効果が得られるのだ。

 このかたちのアンテナは、基本原理を発明した八木博士の名を取って「八木アンテナ」と呼ばれ、海外の技術者の間でも「Yagi」の名称は通用する。大戦中、海外の技術文書にあったYagiという用語を、無線工学に明るくなかった当時の日本軍は日本人の人名だと理解できなかったという逸話もある。現在、工学的な場面では、八木博士のチームで研究を主導した宇田新太郎・研究員の功績が評価され、「八木・宇田アンテナ」と呼ばれることが多い。

 ちなみに、下の写真で上部に付いているのはアナログテレビ用のVHFアンテナで、既に用を成していない。屋根の上のアンテナも、今後の技術の変化でノスタルジックな風景になるのかもしれない。(螺)
 


由来
「八木・宇田アンテナ」の基本原理を発明した八木秀次博士は、1886年(明治19年)1月28日に生まれた。研究成果は1926年(大正15年)に論文として発表された。
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