北斗七星
北斗七星 2025年1月27日付 vol.2045
2025/01/31 09:00
週刊BCN 2025年01月27日vol.2045掲載

▼近頃、Webの鮮魚通販サービスをよく利用している。漁業者から水揚げ直後の魚介が5~7種類ほどセットで届く。丸のままなので、下処理やさばくのに手間がかかるが、卸や小売りを経由しない分、新鮮で割安な魚が手に入り、満足度が高い。
▼売り手と買い手を直接結ぶITプラットフォームの登場は、ビジネスのアマチュア化を進めているという。ライドシェアや民泊が代表的だ。鮮魚直販で言えば、漁師は魚をとるプロだが、必ずしも販売のプロではない。
▼もちろん、中間流通は今後も必要だ。直販はほしい魚や配送日の細かな指定は難しい。その場合は鮮魚の専門業者を頼るべきだ。プロの高い商売倫理が求められるケースもある。プラットフォーマーやアマチュアの事業者が責任を負わず、消費者にしわ寄せが来た例は数知れない。
▼メディアも中間業者の一つだ。情報を発信したい側と受け取る側を結んでいる。誰でも発信者になれる現代は、その存在意義を疑う人も多い。メディア側の姿勢がそうさせているのも事実だ。読者や視聴者、取材先の声を謙虚に受け止め、倫理観を高め、提供できる価値とは何かを真剣に考えなければ、この先、生き残ることは難しい。(無)
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