北斗七星
北斗七星 2025年6月16日付 vol.2063
2025/06/20 09:00
週刊BCN 2025年06月16日vol.2063掲載

▼米の価格は上昇から下降に転じたようだが、店頭での値段は依然として高止まりの水準だ。育ち盛りのお子さんがいる家庭の家計にはもちろん、飲食店や食品製造業などの業績にも深刻な影響を与えかねない。
▼わが家の米の消費量は月に5キログラム以下なのでダメージは限定的だが、それでもこの1年で2倍近くに上がった値札を見ると、相当の割高感がある。放出された備蓄米にも関心はあるが、自宅周辺のスーパーに入荷はない。
▼2024年の米の作況指数は101と平年並みで、不作だったわけではない。米がなぜここまで値上がりしたのか、一言で納得できる明快な説明は見つけられていないが、食糧政策や米をめぐる複雑な制度のどこかに欠陥がある可能性が高い。
▼ワイドショーやSNSでは、米高騰の"犯人探し"が盛んだ。「業者が抱え込んでいたんだろう」という声は根強い。そんなに単純な話ではないはずだが、このような局面で、流通は悪者にされがちだ。まっとうな流通は、ただ誰かの間に入って不当な利益をかすめ取るものではなく、生産者にも消費者にも価値を提供する存在であることを伝えていく必要がある。(螺)
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