世界中で開発が加速する量子コンピューター。米IBMは11月に新しい量子プロセッサー「IBM Quantum Nighthawk」を発表し、課題となっているエラー訂正技術開発につながる研究用の新プロセッサーも登場しています。同社のロードマップでは、2029年までの大規模な誤り耐性量子コンピューター「IBM Quantum Starling」の実現が示されています。
日本IBMが先日開催した説明会の中で、IBMの量子コンピューティングの発展には日本のテクノロジーや技術者が貢献している部分が少なくないとの解説がありました。国内では理化学研究所や東京大学と連携して実機を稼働。また、日本の技術者チームは韓国やインドへもシステムのデプロイメントを担当しているとのことです。
日本IBMは、量子コンピューターが社会に実装されるためのエコシステムの必要性も強調していました。例えば、東京大学との協業で運営するハードウェアのテストセンターでは、有力企業がデバイスをテストしていて、今後の量子コンピューターのサプライチェーンへの組み込みを目指しているそうです。量子コンピューターの大規模な商業利用はまだ先だとされていますが、ビジネスチャンスの獲得競争は既に始まっているのかもしれません。(下澤 悠)
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日本IBMが量子コンピューティングの最新の取り組みを解説 実装へエコシステムの必要性強調
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