おしゃれは足元から
二足歩行の人間にとって、靴は欠かせない大切なアイテムだ。赤ちゃんが生まれると、ファーストシューズを買うという風習がある。1歳頃に歩き始める時にはサイズアウトしていて使えないのだが、この世界に生まれてきたことを祝う意味が大きいだろう。
欧州の洋靴「西洋草履」が日本に入ってきたのは幕末で、一般市民用ではなく軍人用の靴だった。輸入された軍靴が大きすぎたため、日本陸軍の創始者・大村益次郎の提案により、日本人にぴったりのサイズの靴をつくる目的で「伊勢勝造靴場」が設立された。その後、文明開化で洋服が広まり、ファッションに合う洋靴が多く製造されるようになったという。造靴場のあった東京都中央区入船3丁目には「靴業発祥の地」の記念碑が日本靴連盟により建てられている。
若い頃はヒールが好きでよく履いていたが、最近はもっぱらスニーカーばかり。たくさん歩いても足が痛くならない機能性と、自分の好きなデザインのバランスを見極めて選んでいる。靴を先に選んでから全身をコーディネートすると、テイストを決めやすく統一感も出る。おしゃれは足元からとは理に適っているかもしれない。春に靴を新調したくなってきた。
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由来
1870年3月15日、日本で初めて西洋靴をつくる工場「伊勢勝造靴場」が開設されたことを記念し、1932年、日本靴連盟が制定。