▼休日に親類の子どもを預かった。スケートをしたいというので、近所の公営スケート場を訪れた。引率だけにしたいと思っていたが、「すぐ滑れるようになるよ」と言われ、スケート靴を借りて渋々リンクへと足を踏み出した。
▼何とかして氷の上には立てたが、壁から手を離した状態で進むことができない。若いころなら足の動かし方を難なく習得できたのかもしれないが、元々スポーツが苦手な中年には歯が立たない。壁沿いに何周か回ったところでギブアップした。
▼ここ数年、「リスキリング」がキーワードとなっており、AIなど新たな領域で事業を展開するため、従業員の教育に取り組む企業が多く見られる。しかし、生身の人間のレベルアップは、時間をかければ必ず経験値がたまるゲームのようにはいかない。リスキリングの成功を前提とした事業計画は危うい。
▼一方、難しいと分かっていても、労働者側はスキル向上に取り組まなければ会社に居場所がなくなる。何度も転倒しながら自転車の漕ぎ方を身に付けた子ども時代を思い出し、新たな学びに挑戦し続ける必要がある。冬季営業が終わる前に、もう一度スケート場に足を運んでみるべきか。(螺)