不規則にも理由がある
「プット、プット、プット。シー、ソー、シーン」。中学生のころ、不規則動詞の活用を呪文のように覚えた。考えてみれば、英語には「なぜ」が多い。Aはなぜ「アー」ではなく「エイ」なのか。「私」を表す「I」はなぜ、いつでも大文字なのか。本書は、そんな英文法や綴りの「なぜ」を、英語がたどった歴史から解き明かしていく。
印象に残ったのは、goの過去形がwentになる理由だ。wentはもともと「向かう」を意味するwendという別の動詞の過去形だったという。長い時間の中で、goの本来の過去形に代わって定着した。これでは、丸暗記するしかなかったのも無理はない。
さらに興味深かったのが、childの複数形・childrenと、日本語の「子どもたち」の共通点だ。childrenは複数を示す「r」と「en」が重なって現在のかたちになった。一方、「子どもたち」も、「子」に複数を表す「ども」がつき、さらに「たち」が加わった。英語だけが不規則なのではない。
本書は英語にまつわる24の疑問を一つずつ解き明かす構成で、最初から順に読む必要はない。目次を眺め、「なぜ疑問文にdoが現れるのか」「なぜeleven、twelveというのか」など、自分が気になるところから読み始めてもいい。(洛)
『英語史で解く英文法の謎 なぜ「3単現のs」をつけるのか』
堀田隆一 著
NHK出版新書 刊 1078円(税込)