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アップルコンピュータ マックワールド大盛況 「アップル再建」鮮明に

1999/08/02 18:45

 アップルコンピュータの見本市マックワールド・エキスポがニューヨークで開催された。同社は四半期ベースで7期連続の黒字を達成したばかりで、出席者の表情も明るく大盛況となった。また、同見本市ではノートパソコンの待望の新機種「i(アイ)Book」が発表された。話題の製品の登場で、今後のシェア拡大も期待される。さらに、ソフトメーカー大手によるマックプラットフォーム向けアプリケーションも発表され、アップル再建を来場者に印象づけた。

iBookもお披露目

 今回発表されたiBookは、同社暫定最高責任者のスティーブ・ジョブズ氏が「アメリカ文化に深く浸透した」というiMacのノート版。iMac同様、ツートンのプラスチック半透明ケースのカラフルパソコンだ。色はタンジェリン(赤褐色)、ブルーベリー(青)の2機種が発売される予定である。

 価格は1599ドルで、発売予定は9月。割高感のあったiMacとは異なり、米国でもノートパソコンとしてはかなり低めの価格設定になっている。

 重量は約2.5kgで、12.1インチのアクティブマトリックス・スクリーン、300MHzのG3プロセッサ、3.2GBハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、モデム、イーサネット機能を搭載している。

 最大の特徴は無線機能の搭載で、99ドル㌦の「エアポート・ワイヤレス・ネットワーキング」アドインカードを搭載することによって最高11Mbpsで約45m離れた機器とネットワーク接続できる。

 調査会社インフォビーズによると、アップルのパソコンは米国の店頭販売のデスクトップ機市場でシェアを倍増させ、5%を占めるほどになったという。

 一方、別の調査会社PCデータによると6月の米店頭販売とメールオーダーのメーカー別シェアでアップルは11.2%を占め、3位を獲得。iMacは同等の性能のウィンドウズ機に比べ600ドルも割高なのに、6月のデスクトップの機種別の売上台数統計でトップになった。無料パソコンによる値下げ圧力は、同社には無縁のようだ。

 ジョブズ氏によると、iMacは発売1年で190万台を販売する見込みだという。

 また同氏は同社パソコンの平均在庫時間が15時間に短縮されたことを明らかにした。競合メーカーの平均在庫時間は1-3週間といわれているから、驚異の効率経営を達成したことになる。

大手が対応アプリ発表

 また、同社の業績が改善されたことでマックプラットフォーム向けにアプリケーションを開発するメーカーが増えており、IBMは音声認識ソフト「ビアボイス」をマック用に開発すると発表。ロータス・デベロップメントもマック向け「ノーツR5」を今夏後半に発売することを明らかにした。

 アップルによると、マック向けアプリケーションはアップグレード版を含めて3935種類もあるという。

 ジョブズ氏は次期OSの「マックOS 9」にも言及。同OSはインターネット通販の利用が簡単になる検索エンジンが搭載されるという。
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