日本で2月22日にXboxが発売されるにあたり、マイクロソフトが、Xboxの価格と同時発売ソフトを発表した。同社にとって初めてのゲーム専用機は、任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメントのハードに比べると高めの価格設定となった。ゲームソフトについては、同時発売のタイトルはマイクロソフト自身の製品を除き、すでにほかのハードウェア向けに発売されている製品のリメイクが多い。果たしてマイクロソフトがXbox事業を手がける理由はどこにあるのか。そして日本でXbox事業は成功するのか。(三浦優子●取材/文)

3万4800円は高い?

 「3万4800円という価格は、決して高いとは思わない。中身を見てもらえば、他社製品と比較してもむしろリーズナブルであることがわかってもらえるだろう」――。1月11日に開かれた発表会の席で、マイクロソフト・大浦博久常務は価格についての質問に、明確にこう切り返した。

 任天堂のゲームキューブが2万5000円、ソニー・コンピュータエンターテインメントのプレイステーション2が現在は2万9800円であることに比べると、3万4800円という価格は割高に思える。これに対して、ハードディスク内蔵、ブロードバンド対応といったスペックで比較すれば、「むしろリーズナブル」と大浦常務は自信を見せた。

 ゲーム専用機の普及は、ハードの能力よりもソフトの威力にかかっている。いくらハードが優れた能力を備えていても、それを生かすタイトルが出てこなかったら意味がない。Xboxのハードディスクも、ブロードバンド対応も、ソフトがあってこそ価値が出てくる。

 ハードと同時に発売になる12タイトルでは、カプコンの「幻魔 鬼武者」はプレイステーションでお馴染みのタイトル、コーエーの「信長の野望・嵐世記」はパソコンから続くソフトだ。Xboxでなければプレイできないタイトルの数が少ないのが気になる。

リビングに進出する

 マイクロソフトにとってゲーム専用機の発売は、「リビングに入れる製品をもっていなかった当社にとって、戦略的な意味をもつ」(大浦常務)という。

 これまでのメインフィールドだったパソコンは、オフィス、そして家庭の書斎にまで入り込むことができたものの、確かにリビングに置かれる製品ではない。本気で家庭を狙うのであれば、ゲーム専用機はその近道だ。

 だが、同社がゲーム機のファーストユーザーとして狙うのは18歳から35歳の男性、それも熱心なゲームユーザー、もしくは新しもの好きなタイプ。家庭というよりも個室でゲームを楽しむタイプを想定しているようだ。

 ハードと同時に発売するタイトルも、マイクロソフト側は「アクション、シューティング、格闘、スポーツなどの幅広いジャンルを揃える」という。しかしこれらのジャンルでは、ゲームのパワーユーザーが好むタイトルが主体。子供が楽しむタイトルは少ない。

 米国では順調にソフトも揃い、ハードの売り上げも順調のようだ。日本発だったゲーム専用機の世界に、米国発の製品が登場したことで、ソフトメーカーも、ユーザーも期待が膨らんでいる。「米国のソフトメーカーにとっては、きちんとした英語の開発マニュアルが、日本のソフトメーカーよりも先に届くことが、まず大きく歓迎されているようだ」(大浦常務)。

 逆に日本のソフトメーカー、ユーザーにとっては、米国発の製品だけに、これまでと違う部分が少なくない。日本でハードと同時に発売するタイトルが少ないように感じる要因が、この日米格差が原因ではないとよいのだが。