店頭流通

PC販売店、01年度は苦戦 ヤマダは他社を突き放す

2002/06/17 16:51

週刊BCN 2002年06月17日vol.945掲載

 2001年度の家電量販店の業績は、パソコン本体の売り上げが軒並み前年度を下回る結果となった。パソコン本体は各店舗とも売上高のなかで高い割合を占めているだけに痛い。今年度もパソコン販売の急回復は難しい状況が予想されるため、収益性の高い製品を揃えていく必要がある。一方、ヤマダ電機は新規出店が功を奏し、売上高でコジマを追い抜き、他社を突き放す格好となった。売上高は前年度比19.0%増と群を抜く。

 このほど出揃った家電量販店の01年度決算は、全体の売上高が前年度を下回る店舗が多いことに加え、パソコン本体の売り上げも前年度割れとなった店舗が目立つ。

 00年度、家電量販店のなかで売上高がトップだったコジマは、01年度決算で売上高が前年度比2.4%減の4959億8000万円、営業損益が48億9900万円の赤字に。要因は、パソコン普及率の高まりによる需要の一巡感があったことが大きい。パソコン本体の売上高は、同5.2%減の1245億8900万円となった。「ウィンドウズXP効果を期待したが、結果的に振るわなかった」(小島章利社長)という。

 エディオンは、デオデオが売上高で同5.0%減の2347億3600万円、エイデンが同4.7%減の1906億7500万円と減収。営業損益に関しても、デオデオが3億2600万円の黒字(前年度比89.8%減)、エイデンが7億9300万円の赤字となった。パソコン本体では、デオデオが同7.2%減の638億700万円だった。

 ベスト電器は、売上高が同4.5%増の3686億4900万円となったものの、営業損益で10億2600万円の赤字。パソコン本体の売上高は、同4.3%減の1090億1600万円(事務機器含む)だった。ケーズデンキも、売上高で同3.3%増の1710億6300万円と増収を確保したものの、パソコン本体の売上高は同3.3%減の410億3300万円だった。

 このほか、上新電機、ラオックス、ソフマップ、ノジマなども、売上高が前年度割れ。 パソコン本体に関しては、上新電機が同31.5%減の441億5500万円、ラオックスが同30.9%減の371億3600万円、ノジマが同18.0%減の329億9900万円という結果だ。

 デンコードーは、売上高が同1.7%増の1203億1800万円、パソコン売り上げは同5.9%増の514億9100万円(情報・通信商品)と堅調に伸びた。

 電子情報技術産業協会(JEITA)の調べによると、01年度の日本市場におけるパソコン本体の出荷実績は、台数ベースが同12%減の1068万6000台、金額ベースが同17%減の1兆7692億円。今年度は、前年度並みという見方が強い。

 パソコン本体は、各店舗とも売上高全体の18%以上を占めており、収益に貢献する重要な製品だ。 だが、今後はパソコン以外の製品で収益を上げていかなければ、増収増益を達成するのは難しい。

 主要な家電量販店が軒並み前年度割れするなかで、ヤマダ電機は、売上高が同19.0%増の5608億8100万円となり、コジマを抜きトップの座を獲得。21店舗の新規出店と6店舗の閉鎖が功を奏した。パソコン本体の売り上げは、同14.1%増の1319億6200万円だった。

 営業利益でも同7.2%増の100億5700万円、当期純利益も同16.5%増の102億4400万円と、他社と比較して群を抜いている。

 ヤマダ電機では、今年度もさらに店舗網の拡充を図り、売上高で同28.4%増の7200億円、当期純利益で同20.1%増の123億円を目指す。
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