PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第1回 2001年度決算より

2002/07/01 16:51

週刊BCN 2002年07月01日vol.947掲載

 厳しいIT環境のなかで、パソコン販売店の2001年度決算が出揃った。売上高が前年度を上回ったのはヤマダ電機、ベスト電器、ケーズデンキ、デンコードーなど数社にとどまり、全般的にみて厳しい決算内容となっている。データリサーチ社(DRC)は、株式公開している家電・パソコン量販店、とくに情報通信系の売上比率が高い量販店14社を選定し、01年度決算内容を調査・分析した。(DRC(データリサーチ社)・代表取締役 青木康祐)

 対象販売店はヤマダ電機、コジマ、ベスト電器、上新電機、エディオン(デオデオ、エイデン)、ラオックス、ケーズデンキ、ソフマップ、デンコードー、ノジマ、T・ZONE、OA・システム・プラザ、ピーシーデポ。

 第1-2回で決算概況を総括したうえで、第3回から各社個別の分析内容をリポートする。

◇   ◇

 97年度から4期連続で売上高トップを続けてきたコジマは、前年度比2.3%減の4950億円にとどまり、ヤマダ電機の5608億円に抜かれとうとうトップの座を明渡した(いずれも単体ベース)。

 14社合計の売上高は2兆7835億円となり、同1.6%減と前年度実績を下回った。14社のなかで前年度実績を上回ったのは、ヤマダ電機(前年度比19.0%増)、ベスト電器(同5.3%増)、ケーズデンキ(同1.8%増)、デンコードー(同1.5%増)の4社。ヤマダ電機を除くと、いずれの各社も1ケタ台前半のごく僅かな伸びにとどまっている。

 話題のエディオングループのデオデオ、エイデンは、売上高がそれぞれ2302億円(同5.2%減)、1492億円(同13.1%減)で、2社トータルでも3795億円とコジマに次ぐ規模となっている。

 一方、営業損益では、14社合計で20億円の赤字となった。前年度のトータルが303億円の黒字だったのに比べると、悪化の度合は著しく、この状況は112億円の赤字となった97年度の再来に近い。

 14社のなかで営業黒字となったのはヤマダ電機、ケーズデンキ、デンコードー、ピーシーデポの4社。それ以外の10社は、いずれも赤字を強いられている。

 昨年前半に顕在化し始めたIT不況の影響が各社の決算に如実に現れた格好だ。
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