PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第5回 ベスト電器

2002/07/29 18:45

週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載

 ベスト電器の売上高は、2001年度(02年2月期、単体ベース)で3542億円と前年度比5.3%増。14社の中で前年度実績を上回った数少ない量販店だ。その原動力となったのが関東、東北、北海道地区への出店拡大。特に関東地区の基幹店として新宿高島屋店を、東北地区初の仙台店をそれぞれ出店するなど、直営31店、フランチャイズ(FC)45店の計76店を新規出店。一方、41店をスクラップした。その結果、01年度末の総店舗数は522店、そのうち直営店240店、FC店282店となった。全売上高のうち、小売り売上の直営店売上高が2084億円で同9.8%増、卸売り売上のFC店売上高は503億円で同15.5%減と大幅な減少となったが、直営店の拡大が全体の売上増に寄与した。(DRC(データリサーチ社)・代表取締役 青木康祐)

 旺盛な出店拡大に伴う初期投資などの経費増大により、営業損益は16億円の赤字となり、前年度(3億円の赤字)からさらに赤字幅が拡がった。具体的にみると、売上総利益は550億円、同7.4%増だが、販管費が567億円と同10.0%増加し、売上総利益を上回ったことで営業赤字となった。97年以降、営業損益でプラスに転じるのに四苦八苦しており、要因の1つに粗利益が確保できていないことが挙げられる。売上総利益率をみると、01年度では16.03%で14平均に対し0.19ポイント低くなっている。今後、粗利益の高い商材の確保がキーポイントになろう。

 エディオングループ、上新電機など5社連合による業務提携を推進しており、このなかで共通ブランドの戦略商品の開発、スケールメリットを追求。また、三洋ロジスティクスとの提携による物流コストの削減、店舗のローコストオペレーション、インターネット通販事業の収益基盤の確立を目指す。さらには、ブロードバンド市場への参入を狙って、ソフトバンクグループと合弁会社を計画、戦略的事業の構築を目指す。これらの展開が停滞気味の業績を打破できるか、成否を握る。
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