店頭流通

「価格表示ガイドライン」、一部改定 ポイント還元は“景品”か

2002/12/16 16:51

週刊BCN 2002年12月16日vol.970掲載

 ポイント還元を巡る動きが慌ただしい。公正取引委員会(公取委)は、「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(価格表示ガイドライン)の一部改定を行う上での案(原案)について、メーカーや販売店から広く意見を集めた。そのなかで、競争が激化しているポイント還元について、「ポイント還元は景品類に該当しない」という考えを示した。これに呼応する形で、日本電気大型店協会(NEBA)では、公取委の考え方をふまえ、ポイント還元を「景品ではなく値引き」と見て、還元率を高めれば不当廉売につながり、商品の価格設定などにも大きな影響を及ぼすと警鐘を鳴らす。ポイント還元を巡る動きはどこへ向かおうとしているのか。

NEBAの見解は“値引き”

 NEBAの岡嶋昇一会長(エイデン社長)は、「公取委が一部改定したガイドラインは、ポイント還元が景品に該当せず、『値引き』であるという見解をもっていると判断できる」と話す。

 公取委は、12月5日に「価格表示ガイドライン」を一部改定した。改定前の11月1日に関係各方面から意見を募集。寄せられた意見は19件だった。

 その意見のなかで、「ポイント還元は、次回の購入に与えられる特典であり、むしろ購入に対する景品とみるべきではないか」、「ポイント還元は値引きということが十分周知されておらず、景品と考える事業者もいまだ多い。一部改定ガイドラインでポイント還元は値引きであることを明示して欲しい」などの意見があがった。これに対し、公取委では、「ポイント還元は『社会通念上妥当と認められる基準に従い、取り引きの相手方に対し、支払うべき対価を減額すること』として、原則として正常な商慣習に照らして値引きと認められる経済上の利益にあたり、景品類には該当しない」という考え方を示した。

 南部利之・公正取引委員会事務局取引部消費者取引課長は、「量販店がポイント還元を景品類として位置づけるのであれば、ポイント還元率を10%以下にしなければならない」と指摘する。

 NEBA・岡嶋会長は、「これまでメーカーは、ポイント還元を景品と捉え、値引きとは考えていなかった。だが、今後は、メーカーに対して『ここまで安価に提供することが果たしてよいことなのだろうか』と意見をいえる」と強調する。加藤修一副会長(ケーズデンキ社長)も、「値引きという見解になると、ポイント還元率を高めた場合、不当廉売になる可能性もでてくる」と分析する。

 もっとも、公取委では、「景品には該当しないが、消費者がポイントカードを所有していなければ値引きにつながらないため、通常の値引きとは少し異なる」(南部課長)としている。しかも、「今回のガイドラインによって、ポイント還元ができなくなるようにしたわけではない。消費者が誤認しなければ問題はない」と主張する。

 今回、一部改定した「価格表示ガイドライン」では、新興家電量販店やカメラ量販店などが表示する「割引率」や「ポイント還元率」が、不当表示に該当するおそれがあるとして具体的な事例を示している。

 例えば、「A電器店が、個々の商品ごとにポイント還元率を表示せずに『全商品10%、15%、20%ポイント還元』と還元率が大きくなるにつれて文字を大きく表示し、かつ、『20%』を強調して表示することにより、あたかも多くの商品について『20%』のポイント還元が適用されるかのように表示しているが、実際には、20%のポイント還元の対象となるのは一部の商品に限られているとき」が不当表示に該当するおそれがあるとしている。

 いずれにしても、「価格表示ガイドライン」はポイント還元表示や還元率、商品の価格決定にどのような影響を与えるのか、注目していく必要があるだろう。
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